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2019年07月10日

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

特にすることもなく、ひたすら読書と1時間おきのNHKの天気予報をラジオでチェックしながら時を過ごします。
雷が時々いいアクセントで驚かせてくれます。
しかし、静寂の暴風雨というのはやっぱり気がめいります。なにか他に人臭い音が欲しい。
で、野球中継を聞きます。
アナウンサーの絶叫と観客の声援がなんとさみしい心に染み込んだことか。。。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2


九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2



九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2
翌5日、夜は開けましたが、とても外に出られる状況ではありません。
極限までトイレを我慢して、少し雨が弱まったところでトイレに向かいます。
今日も1日缶詰めのようです。福岡のキャンパーさんもまだ帰れないようです。
そんな中、ツアーさんが3組程、平治岳へ雨具を着て向かっています。
台風だよ!風強いよ!雨降ってるし、雷だって鳴ってるのに。。。

朝食は仕方なくテントの中でVol.1の参照のガスを使ったんだけど、
あ~も~しません許してください。。。
30cm位ファイアーしてしまって、危うくテントを燃すとこでした。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

動揺も一段落したところで、やはりすることもなく、2冊目の本に突入です。
昨日なんとなく飲まなかった日本酒がちょ~うれしい!!!
ツマミをぽりぽりしながら、こんなのもありだよなとひとりごちます。

午後2時過ぎ、ようやく雨も小ぶりになり、せっかくなので法華院温泉のお風呂(500円)に行きます。
やや滑らかでいいお湯です。

すっかり予定が狂ってしまいますが、もともと今回は1日5時間以上歩かないと決めていたので
明日大船山と平治岳を登って長者原へ戻ればいいだけのこと。
法華院温泉のご親切で携帯をお借りして、予約しておいたバスとレンタカーの時間を変更しました。
(当時、ソフトバンクは電波つながりませんでした)

夕食の缶ビールはおっきいのとちっちゃいのと2本買います。
恥ずかしいので、おっきいのはウエストポーチに入れちゃいます。
こうして怒涛の一昼夜は無事過ぎていきました。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

昨日一昨日の風雨がうそのように空は白白と明けていきます。
まだ見えぬお日様はその光を空に反射させて自分の存在を誇示しています。
やったね、きょうこそ晴れだね!

6:25坊ガツルを出発する。
重いザックから開放され軽荷の背中は羽が生えたように軽々です。
湿気と朝の冷気と薄暗い登山道を登ってゆく心地よさ。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

誰にも会わない山懐の深さを自身の体で感じる。
鳥の声がさんざめいて、木々を震わす。
この後必ずやってくるであろう山頂での喧騒の前のひととき、私にだけ与えられた空間と時間。
それを心の底から楽しむ。

あたりが明るさを増す頃、ぽっかりと見晴らしのよい空間に飛び出す。
自然が作り出したストーリーに乗って、そこからの風景を楽しむ。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

一昨日歩いた山並みや坊ガツルも眼下に手に取るように広がる。
その名の通りの三俣山は三兄弟よろしく肩を並べる様も微笑ましい。

さらに高度を上げていくと、空が広がってぽんと段原に飛び出す。
左手に見上げる北大船山の山腹がピンクの衣をまとって、朝日に輝いている。

大船山(だいせんざん)の山頂は随分遠くに見えるけど、登ってみればあっという間の距離だった。
この山頂を独り占めする贅沢。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

一昨日かなわなかった阿蘇の涅槃像も、上半身だけその姿を拝することができた。
神々しい展望にここが神の地であることを改めて感じる。
京都や奈良とも違う原始の日本の香りを感じる九州、今そこに身を置いている。。。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

充分に展望を楽しんで、平治岳(ひいじだけ)に向かう。
段原に戻り、北大船山を登る。ここからミヤマキリシマはどんどんとその数を増していく。
それはまるでお花畑の中を歩いているよう。
蜂の仲間が忙しく動きまわる。生を感じる営みがここにもある。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

登山道は北大船山のピークを踏んで、大戸越(うとんごし)へと下ってゆく。
道迷いマークのある登山道なのだけど、この展望で全面に平治岳が聳えてどこをどう道迷いするのかなあと
でもしっかりと登山道を見極めながら歩いていたつもりだったのに、
なぜかハマった。。。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

自分でもどこで間違えたか、全くわからないのだけれど、登山道がだんだん荒れてきているなあと思ったら
見事沢地形を下っていた。平治岳の登路がどんどん左に逸れていっておかしいと感じた矢先だった。
救いの前方には男性登山者がいた。
彼もハマったことを悟ったようで、途中から左岸に登って横に進みだした。
幸いにも、左岸の先には登山者の声が聞こえていたので、私もその後に続いた。
ものの数分で大戸越にたどり着いた。
一人の時間に喜びを感じていたけれど、人のざわめきがこんなにありがたいとは。。。
まったく勝手なものだ。

みな、おいしそうに行動食を食べていた。
私も何か食べたいけれど、停滞のせいで今日の昼食の食料はない。
あめを口に入れて空腹をしのぐ。
あ~三俣山ってジャムおじさんの帽子にそっくりだ。。。
なぜか、展望より食ベ物のことが頭を占めるようになる。

平治岳南峰の上りをあえぎながら登りながら、
「長者原についたら、なんでもいい。すぐ食べられるジャンクフードだあ」
「牧ノ戸峠に、いきなりだんごとか、肉おにぎりとかあったよなあ」
「長者原には何が売っているんだろう」
ミヤマキリシマを目の前に、頭は食べ物のことでいっぱいになっている。。。

南峰から本峰のミヤマキリシマの展望が素晴らしかった。
いっときは空腹を忘れて、その花たちの可愛らしさに酔いしれる。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

本峰からも花一色の展望が見渡す限り広がって、腹は減ってもこの場を去りがたい。
本当に至福の時間だった。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

充分にミヤマキリシマを堪能して坊ガツルに下ることにする。
大船山の登りより、大戸越からの下りの方がはるかにゆるやかだったが、登山道はぬかるんで田んぼ状態です。
こちらの方がはるかに人の行き来が多い。

坊ガツルに着くや、急いでテントを撤収して3日間お世話になったテン場を後にする。
ここに泊まることが、大きな目標だったので、台風の手痛い洗礼を受けたけれど、満ち足りた3日間だった。

また来たい!
できたら相方と一緒に!
楽しかった思い出とちょっと切ない気持ちをかみしめて、坊ガツルを後にした。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

三俣山をぐるっと巻くように九州自然歩道に沿って長者原へ向かう。
ゆるやかな登り道が雨ケ池まで続くのが、重いザックと腹減りには随分と応える。
ジャンクフードが駆け巡る脳内に辟易しながらも、
それでも「長者原に着いたら何食べようかなあ」と考えることが、いま歩く原動力になっていることだけは間違いない。
コースタイムより随分時間がかかってやっと長者原に着いた。
どろどろの靴を洗ったりしているうちに、あっという間にバスの時間がやって来た。
あ~ご飯。。。腹減った。。。と思っても時間もなく
仕方なくコーラを買って飢えを凌ぐことにする。
私の人生で恐らくトップクラスにおいしいと感じたコーラだった。。。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

阿蘇駅には17:30に着いた。
レンタカーの手続きをし、阿蘇中腹の坊中キャンプ場(管理費+テント代¥1000)の手続きをしてテントを張り、
阿蘇駅前の夢の湯(400円)で入浴。
買い出しをしたり、コインランドリーで洗濯をしたりして
やっと、ほんとにやっと朝以来の食事にありついたのは20時をとうに過ぎていた。

テン場は私一人の貸切だった。
人もいないので、車をテントの隣に置いていいよと言われ、まるでオートキャンプ場。
トイレも水洗で清潔だし、炊事場やゴミ捨て場もあっていたれりつくせりだった。
買い出しは少し宮地寄りにショッピングセンターがあって、不自由はなかった。

九州山行~九重から阿蘇へ Vol.2

続きます

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